本物のニセ物

『だけどあんたさぁ、本当にそんな顔で満足なワケ?』

いつだったか、「整形美人vs整形反対派」の討論番組をテレビで放送していました。
たまたま滅多に見ないテレビをつけたらやっていたので、ほんの一部しか見ていないのですが、
ちょうど、上記のことばを「整形美人側」の女性が、「反対派」の女性に
ぶつけていた場面でした。
『本当にそんな顔で満足なワケ?』
と相手に訊くからには、そう言った女性は、整形後の自分の顔を気に入って
いるのでしょうか。
言われた「反対派」の女性は、真っ赤になって俯いてしまいました。
「一度やったらあちこち気になって、どんどんエスカレートする」
とも聞きますが、その女性は、一体どこをどう手術したのでしょうね。

高校の同級生で、『小・中学生の頃は本気でアイドルになりたかった』
という子がいました。
明るくてとても可愛い子でした。
でも、「残念ながら」瞼が奥二重なので諦めたのだそうです。
「それでも可愛いんだからいいじゃん、個性で」
そう言うと、彼女のアイドルの条件としては、二重瞼でなければ
ゼッタイにダメなのだということでした。
「じゃあ、整形すれば?」
別の子が言うと、彼女はきっぱりと言いました。
『あたしは、偽物になる気はないから』
……ニセモノ……
そうか。この子にとっては生まれつきの顔じゃなければ偽物なのか……。
なんだか、その潔さにちょっとショックを受けました。

まあ、考えてみればそうですね。
たとえばエルメスとかコーチとか、その他のブランド物のバッグが
専門家が見ても本物のように作られていたとしても、それはあくまでも
偽物です。
限りなく本物に近くても、偽物には価値はない。
でも、今はその「偽物」の顔を持った人たちが街にはあふれています。
雑誌の広告でも「美容外科」はとても多いし、試しに検索してみると、
都内だけでもものすごい数の美容外科があります。
それだけの数の施設が経営を続けていかれるのですから、手術を受ける人の
数は、想像もつかないくらい多いのかもしれません。


わたしの母は、とても美しい人でした。
おそらく、母を見たほとんどの人が「美人だ」と思うくらいに。
その母からうまれたのに、美しくも可愛くもないわたしは、たぶん
父に似たのでしょうが、どうして外見に母の遺伝子をもらえなかったのかと、
子供の頃からとても悲しかったです。
やはり、生まれてきたからには、美人でないよりも美人のほうがいい。
姿・形だって、中身と同様に重要だと思います。
若い頃には、整形しようか、どうしようかと、迷ったことが何度もありました。
実際に美容外科を受診し、具体的な費用などの相談をしたこともありました。
でも、今となっては、しなくてよかった・手術を受けなくてよかった、と
本当に思っています。
それは、不自然な顔の人が、街にもメディアの中にも、あまりにも多いから
なのかもしれません。
映画をみていたりして、ある程度の年齢を重ねている役者の顔が相応に老けていると
とても安心します。いい顔だと思います。
そして、フェミニストや人権問題・教育問題などの分野で活躍している女性たち、
そんな人たちが明らかに若返り手術を受けたような顔をしていると、
発言まで信じられなくなります。
一体、わたしは今までこの人の何を見てきたのか……。大げさなようですが、
本当にそう感じてしまいます。

『だけどあんたさぁ、本当にそんな顔で満足なワケ?』
わたしが整形美人の女性にそう訊かれたら、
「満足なワケはないけど、コンプレックスだらけだけど、偽物よりはマシかな」
と答えると思います。
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[ 2011/01/30 04:21 ] 思うこと | TB(-) | CM(-)

久しぶりの更新です

さて、10日くらい更新が滞ってしまいました。
自分のパソコンの調子が悪かったために、こんなに間が空いてしまったのですが、
(最終的にはまったくうごかなくなってしまい、
知人に修理してもらったのですが、ウイルスに感染していたそうです。)
書きたいことはいくつもあったのです。

少し続けて書いてみた切腹のこと、
緊美研のこと、縛りのこと、モデルのこと、
社会のこと、政治のこと……
日々思うこと、感じることはたくさんありました。

緊美研のことを考えている時間が多かったです。
やっぱり、一番思うのは、「昔はよかった』---。
どうしてなんでしょうね。
いつから不自由になってしまったんでしょう?
同じ嗜好を持つ方が集まり、みんなで一つのことを真剣に想う。
例会は、十数人の人間の強い想いがひとつになって、
超常現象が起きても不思議ではないような、そんな特殊な
空間でした。

「緊美研黄金期」と雑誌などでいわれていた頃がありました。
正確な時期はよくわからないのですが、
早乙女宏美ちゃん、杉下なおみちゃん、佐藤まゆみちゃん、
そしてわたし・春原悠理がモデルとして出演することが
多かった頃です。
それ以前は、何度も登場する女性はあまり多くなく、
一般のマニア女性が猿轡や目隠しで顔を覆って出演して
くれたこともありました。
(この頃がいちばん「マニア性」が強かった気がします)

そういった古いビデオを見ると、最近(休止直前のものも含めて)の
映像とはなんとも表現しがたい違いがあります。
なんというか、一言であらわすとしたら、
昔の緊美研ビデオは、『暗い』のです。
出演している女性・楽しそうな笑顔を見せていても、なんとなく暗い。
雑誌で使う写真の撮影もしていましたので、ライティングが暗いのは
いうまでもないのですが、全体に立ち込める空気が、暗くて重いのです。
湿度の高いメンタリズムを持つ人たち、あるいは日常からかけ離れて
そういった「暗く重い」部分を存分にさらけ出せる場所だからなのか、
モデルも、カメラマンも、先生も、会員さんも、
言い方を変えれば、『真剣』でした。
いえ、決して最近の例会がふざけていた・軽かったということではありません。
それぞれの良さがもちろんあるのですが、好みでいうと、
昔の緊美研の方が、ずっとずっと「おもしろかった」です。

「切実」だっのかな。昔のほうが。
この違いがわかる方とお話してみたいです。
先日、神田つばきさんからメールをいただき、
そのようなことを言われました。
近いうちに、会って話してきます。

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[ 2011/01/27 21:36 ] 日常 | TB(-) | CM(-)

食べられるはらわた

切腹ビデオのシリーズとして発売されましたが、
切腹とはかなり違うものがいつくかあります。

「生贄~精霊たちの謝肉祭~」
「怪我した女子大生ーロマン・スロコンブ」
「包帯解剖女ー秋田昌美」

の3タイトルです。
あぁ、こうして書き出してみると、その全部に私が出演しています(笑)
「生贄」は、自分の身体を切り裂いて儀式に捧げる古代神道(!?)の
シャーマンとして。
「怪我した女子大生」には、事故に遭って全身に包帯を巻かれて
入院している女子大生を見舞う友人として。
そして「包帯解剖女」ではメスで腹を切り、内臓をずるずると引っ張り出す
医者として。

「怪我した女子大生」は、包帯好きのスロコンブさんが演出された作品なので、
メインは包帯です。血はでてきません。
ベッドの上で包帯やギプスをつけられ、苦しがっている友人と一緒に記念撮影を
するという、ちょっとイカれてる女性役です。
「包帯解剖女」は、裸の体の数箇所に包帯を巻かれた望月麻子ちゃんのおなかから、
終始無言で医療器具を使用し、秋田さん手作りのラテックスでてきた腸を引きずり出す
白衣の女という役でした。

「生贄」は、「パソコン通信」で知り合った人たちと作ったものなのですが、
鰐屋鬼門(わにやきもん)という人が、ずっと前から見たかった・・・という
情景を実写化したものです。
儀式のための生贄。
わたしも初めは何をどう表現したらよいのか、感情的にはどうあるべきか……など
ものすごく迷いました。
なんどもミーティングを重ね、みんなで意見を出し合い、衣装や小道具を準備して
当日に臨んだのですが、やはりわたしはどう演じるべきか、ということが
いっさい明確にはなっておらず、舞台演出的な準備は整ったものの、
リングに上がった格闘家のように、「頼れるのは自分だけ」という情況で
やりました。
これも、西湖の近くの(廃?)神社で行ったのですが、誰もいなかったのは
幸いでした。
神社の敷地内で全裸になり、顔も体も全身真っ白に水おしろいを塗っていきます。
床屋さんのメンバーに髪を結ってもらい、メイクをして、衣装をつけて、
境内で踊りました。
血糊まみれになって、キツネのお面を抱いたり、切れないナイフに苛立ちながら
それでも力任せに身体を切り裂こうとしたり……。
すごく罰当たりですね。
血まみれの境内です。

途中、ヨーロッパらしい観光客の女性がたまたまやってきて、私の格好にあやうく
悲鳴をあげるところでしたが、「撮影」というと、急に瞳を輝かせ、ビデオカメラで
撮り始めました。
あの映像はどうなったんだろう?
帰国して、友達に見せたのでしょうか?
ジャパニーズカルチャー……






201101052326554f6.jpg

画像は、神社での撮影の一週間後、スタジオで撮ったものです。
わたしの好きな写真です。
この内臓は、わたしがこんにゃく粉でつくりました。
色は食紅でつけてあります。
食べられる臓器。
いや、モツ煮込みとか、どてとかレバーとか豚のマメとか、内臓は好きですよ。
それらの畜肉ではなく、ヒトのかたちをしたものの中からでた内臓。
よく見て下さいね!
心臓は、ちゃんとハート型に切り抜いたんです。
こうしてじっくり見ると、けっこうリアルですね。
同じ写真で、笑っているカットもあります。

もちろんおなかを裂いたわけではなく、作った内臓をおなかの上に「載せた」
わけですから、この時もけっこう体重を落としました。
37キロだったかな?
硬い椅子に座れなかったことは、言うまでもありませんね。

楽しかった。
この撮影は。
自分の中から沸き起こってくるものを、溜め込みながら放出する。
ちょっとずつ出しながら、ひたすら内にこもる。
そんなパラドクスを充分に楽しみました。

またこういうのやりたいな。

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[ 2011/01/17 03:21 ] 切腹 | TB(-) | CM(-)

手首をつかまれるとね……

下の記事の、すごくすごく大好きな人につかまれた時は、
もちろん特別だったのですが、何かの拍子で……
たとえば縁日の人ごみの中で誰かとはぐれそうになったとき、
鬼ごっこをしていて、「こっちだよ!」と見つかりにくい
逃げ道に連れて行ってもらったとき・・・

ずっと記憶を辿ってゆくと、子どもの頃から『手首をつかまれる』ということは、
わたしにとってはきゅ~んとすることでした。
相手が男子でも女子でも、それは変わりません。
もちろん、嫌いな同級生とか、年長の苛めっ子だったら、そんな風には
感じなかったと思うけど……
いま、こうして書いていて、左手で右手の手首をきゅっとにぎってみたんです。
自分でしてみても、ちょっとキュンとします(笑)

どうしてかな?
すぐ下に骨があって、頼りない部位だから?
縄で縛られるとき、一番先にぐっと掴まれる場所だから?
ああ、思えばそうですね。
この、一本目の縄で手首を括ろうとして、縛る人が女性の背後から手をとります。
この時に、肘や肩の関節が曲がる方向をちゃんと理解していなくて、
もたついてしまう人だと、もうその時点で冷めてしまう……というか、
これからの緊縛撮影に対しての思いいれが弱くなってしまうというか、
そもそも一番初めに縄を掛ける部位の性質を理解していないなんて
不勉強すぎるの?
それとも能力がないの?
なんて思ってしまうのです。

あ、それなら総合格闘技をやってる人なら、肩がぎゅうっと悲鳴を上げる
直前まで一瞬で手首を高い位置まで引っ張ってくれるのかな・・・
サブミッションホールド

近くに、HERO`SやDynamiteなどにも出場したことのある選手が
トレーナーとして週一くらいに来るジムがあるのです。
そこへ行ってみようかな。

本当は、一緒に暮らしている王子(猫・名前は別にあります)につかまれたい。
そうしたら嬉しすぎて死んじゃうかも・・・と思います(笑)

うーん、でもこれ以上上腕二頭筋がつくと、さすがにイヤだなぁ。
もしジムに通ったらね、いつもやられっぱなしじゃつまらないでしょ。

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[ 2011/01/16 02:15 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)

手首をキュッとつかんでください

大好きで大好きで、ものすごーく好きな人の公演に行ったとき
終演後、すごいサプライズがあったのです


入場者全員をロビーで見送り、そして握手してくれることに!
列に並んでいる時、いつもバッグに入れてある殺菌(除菌より強力)ウエットシートを
何枚も使って、手を拭きました
そして、ベタベタしないハンドクリームを刷り込んで、
心臓がバクバクするのを呼吸を整えてなだめつつ、
次第に苦しくなる胸を押さえ、クラクラしてくる頭を鎮め、
順番を待ちました

20110105233230acd.jpg








ああ、でも……
こんなこと、きっともう死ぬまでないだろうな
順番が回ってくる前に、このドキドキした状態のままで
心臓が止まってしまったほうが幸せかも……

などと莫迦なことを想いつつ
あと2、3人! 
というとところまできて、ふと思ったのです

握手より、もっとキュンのするのは……

20110105233349d24.jpg

花束がたくさん置かれた台をはさんで、その人と向き合いました
そのときわたしがお願いしたこと、それは

「手が荒れているので、握手の代わりに手首をつかんでいただけますか」

すっごく勇気がいりました。
言いながら倒れてしまいそうでした。
そして、その長い指を持つ大きな手で右手の手首をつかまれたとき、
おそらく、それまで生きて来た中で、いちばんの快感を味わいました
快感と言うよりも、雷に打たれたような衝撃でした

でも、顔に出したら気味が悪いでしょう?
そう思って、お礼を言うだけで精一杯でした。

何本もの縄で、体中を厳しく縛られるより、
手首にきゅっと巻きつく一本の縄。
そんなイメージが頭にひろがり、よろよろと会場を後にしました。




写真は内容とは無関係ですが、モノクロのほうは、
佐藤まゆみちゃんが撮ってくれたものです。
軍服を着て目隠しをされたあたり、「捕らえられた女スパイ」
というシチュエーションですね。
この撮影も楽しかったです。

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[ 2011/01/14 02:18 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)

縄の痕

麻縄で厳しく縛られ、縄を解かれたあと
いままで皮膚にきつく食い込んでいたことを示す
縄の痕に触れるのがとても好きです



20110105233746ec2.jpg
この写真は、いったん解かれてまた縛られる前の
ふっと一息ついたところです
背中の右側に見えているのは、縄の痕ではなく肋骨です(笑)










20110105233811fe6.jpg
これは、とても好きな写真のうちの一枚です
二の腕と手首についた痕が好き
このあと、赤くミミズ腫れのようになり、
そして痣と同様に内出血して青紫色になり、
少しずつ消えてしまいます










20110105233823f6f.jpg
これは焼き色も薄いし、かなり引いて撮ってあるので
縄の痕、わかりづらいですね
上の写真もそうですが、解かれたあとに
身体を小さく丸めて、そして少しずつぼんやりと
現実に戻ってゆく、その過程も好きです



さみしいんだけどね。

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[ 2011/01/12 23:59 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)

撮影に参加した人が書いてくれたこと 

前回までに記した「切腹」ビデオと同じ日に、緊縛のビデオ撮影も行いました。
その一泊二日で、合計四本のビデオを撮影し、全てが作品化したのですから、
当時の不二企画にはけっこう元気がありましたね(笑)

その一泊二日の撮影に参加したのは、濡木先生、カメラマンの不二さん、
出演の早乙女宏美ちゃんの他に、会員の鵜藤さんと、ライターの伊井佐祐さん、
そしてライターでありノイズミュージシャンである秋田昌美さんの、
わたしを含めた七名でした。

このあと掲載する文章は、「緊美研通信」第六号の中で伊井さんが書いて
くださった同行記です。
伊井さんの、独特なリズム感のある優しい文章が、わたしは大好きでした。
六ページのうち、今回は前半の三ページを紹介させていただきます。
後半は、またそのビデオのことをわたしが書いたとき、紹介させていただこうと
思っています。


===================

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※画像クリックで拡大

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[ 2011/01/10 03:24 ] おもいで | TB(-) | CM(-)

「刺し違えてほしかった」というご要望

妹がお腹を切るまで見届けたわたしが、自分も切ったところまで前回に書きました。

そのあと、なかなか死ねずに苦しんでいる妹の胸(心臓)に、姉が止めをさすのです。
このシーンは、もうちょっとリアルにできたらよかったのですが、いつもリハーサルなど
一切ナシでやっていますので、なんとなくユルユルとした、「鬼気迫らない」シーンに
なってしまったような気がします。
そして、妹は先に倒れるのですが、血まみれの震える手を姉の方に伸ばし、
唇を震わせて呟くのです。

おねえちゃん……

これは、本当に本当に惜しかった!
気持ちは充分に伝わってくるのです。もう痛いくらいに。
でも、その時わたしたちは藩主の娘か、城の姫たちです。

あねうえ……

と言ってくれたなら、その少女のようなか細い声を活かすことができたのですが、
残念ながらその短い音声はカットされてしまいました。

そして姉は、妹の亡骸に同じように震える手で着物を引っ張って被せます。
顔はもちろん隠したりしません。
本当ならば、死に顔に着物を掛けるほうが良いのでしょうが、
これは切腹ビデオです。死んだあとの顔も、重要なみどころです。
実は、わたしが宏美ちゃんの身体に着物をかけた本当の理由は、
寒かったからなのです。
気温はおそらく、東京の二月上旬くらいです。
その寒さのなか、大量の血糊……液体ですからね、冬に水を浴びたと思っていただければ……
身体はどんどん冷えてゆきます。
自分の意志ではどうにもならない、風が吹き付けるとブルブルっと震えてしまうのです。
それを隠したかったので、妹の身体に着物をかけました。

でも、その動作の最中、姉の脳裏には幼い頃からずっと仲良く育ってきた妹との
楽しかった日々が甦ります。

鯉にえさをあげたり、
毬つきをしたり、
そんなことを思いながら、わたしは大泣きしていました。
母上と一緒にお雛様を飾ったわね。
あなたはわたしのお雛様の方が立派だと言って、父上に泣きながら文句を言って。
守ってあげることができなくて、ごめんなさい。

姉は内臓のはみ出している自分のお腹を押さえながら、
妹に掛けたその着物の上から、最期の温かさを感じようと、必死に亡骸に覆いかぶさって
泣きました。
宏美ちゃんの体温が、薄い着物を通して伝わってきます。
柔らかいその肉は、本当に幼くて痛々しかった。
次は、姉が心臓を自分で突く番です。
早く終わらせないと宏美ちゃんが風邪をひいてしまう……。
現実とお芝居がごちやごちゃになっていました。
姉は刀を持ちかえ、自分の胸に突き立てました。

がはっ

と苦しい息を吐き、できるだけ妹の近くで死ねるよう、身体を這わせました。

でもこの時、わたしは少し後悔していたのです。
いくら寒いからと言っても、わたしの判断で着物を被せたのはマズかったかな?
宏美ちゃんは、死んだ後でもなにか全身で表現しようとしていたことがあったかも?
こうなると、もう悲愴な状態で死んでなどいられません。
余計なことをしなかったか? 
取り返しのつかない行動ではなかったか?

早く「カット!」の声を聞き、宏美ちゃんに確かめたかった。

でも、そのあとの(死んだ様子の)スチル撮りも上手くいったので、
わたしはホッとしたのです。

民宿に戻り、本館の大浴場に宏美ちゃんと二人で入りました。
やはりかなり冷えてしまったらしく、危うく膀胱炎になりそうだった宏美ちゃん。

でも、この作品は、わたしはとても好きです。

後日、切腹マニアの方からのお電話で、
「せっかく二人で切るなら、刺し違えてほしかった」
というご意見をいただき、なるほど、と思ったのです。


でもなぁ、対等の立場でなく、姉は妹を少しでも自分より楽に、そして先に
逝かせたかったからなぁ……と、今でもどちらがよかったのか、
時々かんがえています。

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[ 2011/01/09 19:49 ] 切腹 | TB(-) | CM(-)

あねいもうと・・・想いはぐるぐると

さて、この「美女剣士・二人切腹」。
大まかなストーリーというか、設定はこうです。

藩主のむすめがふたり。
男装して逃れようと試みたのですが、
すでに敵軍の追っ手は、すぐ近くまで迫っています。
捕らわれて辱めを受けるならば、自害しよう。

心は折れていましたね。
満身創痍で野山を走って逃げる彼女らの気持ちを想うと、
とても哀しいです。

撮影したのは、四月の初めだったでしょうか……
桜がはりはりと散る下で、ふたりで果てたいな、という想いがあり、
東京では桜がかなり散った頃に行ったのです。
でも、場所は富士五湖のひとつ、西湖の近くの民宿でした。
いえ、民宿がどうというわけではありません。
中央高速を下り、現場が近づくにつれ気温はどんどん下がっていきます。
そして、桜なんてとんでもない!
まだやっと、梅が三分咲きというくらいの寒さでした。

「サギだよね~、東京はもう桜も終わりそうなのに」
宏美ちゃんと笑って話していましたが、このあと、大量の血糊に
まみれるわたしたちを、どんな寒さが襲うかなどと、想像もしていませんでした。

スタジオである民宿に到着した時は、まだ日も高くて暖かかったのです。
これは、縁側の明るい場所でメイク中のわたしです。
お行儀が悪くて失礼。
男装ということで、眉をキリリと描きたかったのですが、
わたしはメイクが下手なのです。

20110105232944c9e.jpg

肌襦袢を着て、着物を着て、袴を着けました。
袖をたすきで上げ、晒しの布を裂いてハチマキを締めます。

これは、わらじとハチマキ以外の衣装を着け終わったときの記念写真です。
お手伝いとして参加してくれた会員さんが撮ってくれました。

2011010523300147b.jpg

宏美ちゃんは少年ぽく仕上がっているけれど、わたしは微妙だなぁ。
ビアンの女の子にはモテるのですが、この写真はちょっといただけないかも……。

すべて野外での撮影だったので、明るいうちに撮り終わらなければなりません。
身支度が整ったころから、雲が空を覆い始めました。


枯野のような緩い斜面を、肩を支えあいながら宏美ちゃんと下りていきます。
平地につき、刀に身を預けて一息つき、切腹の舞台になった塀の前まで
よろよろとあるきました。
終始、無言のまますすんでゆきます。
姉であるわたしは、妹の宏美ちゃんに自害するよう命じます。
恐れおののき、後ずさってイヤイヤをする妹の前に刀をつきつけ、

わたしたちの前には、もうそれしか道はないの

と諭します。
意を決して着物の前を広げる妹。
握られた刀の柄は、その小さな手にはあまりにも不釣合いで、
でも姉は唇を噛みしめ、歯を食いしばって見届けることしかできません。
先に死んだ方がラク。
でも、この子を先に送ってあげなくては。一瞬でも、わたしの方があとから
逝かなくては……。
涙をこぼすことも許されません。
誇りを守るため、敵に穢されないための、最期の大事な仕事なの・・・
妹はまるで短い生涯の思い出を辿るように、お腹を撫でていました。

この中にね、父さま、母さま、姉さまと過ごした記憶がたくさん眠ってるの。
その記憶たちが悲しい思いをしないように、私はこうしてなだめているの。

妹は、姉の脳にそうダイレクトに伝えてきました。
姉はその思いを受け止め、ただじっと妹の手元を見つめます。
妹は長い刀の先を、その白く柔らかいお腹に差し入れました。
少しずつ右へ引いていくと、血糊が傷口から溢れるように流れ出します。
妹が切り終えて刀を抜いているとき、姉は妹を見据えたまま帯をといてゆきます。
そして呼吸を整え、妹と同じように刀で自らのお腹を切り裂いていったのです。


現場にいるときと同じように、肩に力が入ってしまいました。

今日は風が強くて、とても寒かったですね。
これからお風呂に入ってきます。
明日、続きをさいごまで書くことができるかな。

なんだか色々と思い出してしまい、(甦ってきた、かな?)
懐かしくて泣きそうです。

ではでは、またお立ち寄りください。
中途半端なところですみません……。

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[ 2011/01/07 23:55 ] 切腹 | TB(-) | CM(-)

二度目に切るときはふたりで

切腹ビデオのことなら、まだまだ書きたいことはたくさんあります。
撮影した順番でいえば、わたしの二作目の切腹ビデオは
【美女剣士・二人切腹】です。早乙女宏美ちゃんと姉妹の設定で
作られたものです。

この撮影の前にも、衣装(袴やわらじなど)について色々と学んだり、
今度は宏美ちゃんもいっしょに、また浅草にいって刀を選んだり、
その帰りに芳賀書店さんの神保町店によったり……と、楽しいことも
たくさんありました。


すみません。ここで中断します。
つづきはまた、今度は画像も追加します。





余談ですが、小豆と大納言の違いをご存知の方はいらっしゃるでしょうか。
大納言は小豆より粒が大きく、種類も異なるのですが、なぜ大納言と呼ばれる
ようになったかというと 、
大納言とは、太政官に置かれた官職のひとつなのですが、切腹を命じられることが
少なく、炊いたときに腹割れ(豆の表皮が破れること)しないこの豆を、
そう呼ぶようになったとか。だから縁起もよいのですね。
美味しさも、小豆よりずっとすぐれていると思います。

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[ 2011/01/04 03:05 ] 切腹 | TB(-) | CM(-)
プロフィール
春原 悠理 Youri Sunohara Facebook
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濡木痴夢男の緊縛美研究会の主宰です。
好きなもの:ねこ、チョコレート、雑多な読書、映画鑑賞

便利なものは苦手です。
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