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「おばさん」だから


緊美研例会のとき、会員の人と一緒に参加した女性を
「彼女、ちょっとここへきてごらん」
と、いつものようにせんちゃんが呼ぶ。
「休憩時間でライトも消してあるし、みんなおにぎり食べてて誰も見てないから大丈夫よ」
と、手の中で麻縄をしゅる~しゅる~と弄びながら言う。
その女性は、ご同伴の男性から許可を得て、
なんだか嬉しそうに、スキップするように軽い足取りで
せんちゃんが待つスタジオ中央に進んだ。

その後は、「一本だけ」と言いながら後ろ手に縛ったその女性が、
梁に留めた縄尻によりかかり、目を閉じて縄酔いしてしまったので
せんちゃんは、びしびしと厳しい形に縄を足していった。
休憩のとき、せんちゃんは休まずにこうして初めて来た女性を縛ることがよくあった。

解かれたあと、
「初めてなのに、抵抗なかった?」
「怖くなかった?」
などと会員たちから声を掛けられる女性たちは、
みんなすっきりした顔で、にこにこと答えるのだ。
「気持ちよかった」「嬉しかった」と。
「世界が違って見えた」と言った人もいた。
わたしは、もちろんせんちゃんの縄を知っているので。
「うんうん」と聞いていたが、
横にいたカメラマンが
「みんなどうして抵抗なく受け入れると思う?」と訊くので
「縛りに興味があって来てるから?」と答えると、
「まぁ、それもあるけど、せんちゃんの個性が警戒心や恐怖心を軽くするんだよね」
と言うのだ。
「せんちゃんて女っぽいからさ」

えぇーっ! 
せんちゃんが女っぽいなんて感じたことないけど……。
と思っていると、
「せんちゃんはおばさんぽいから安心するんだよ。
これは、モデルや女の人だけじゃなくて会員にも言えることだよ」
と、得意気に言うのだ。

「おばさん」かぁ……。
せんちゃんがおばさん……。
そう思いながら見ていると、確かにそうなのかもしれないと思えてくる。
まるで、美容院でおばさんに着物を着付けされてるような、
町の医院に何十年もいる看護婦さんに手当てしてもらっているような、
そんな安心感が確かにあるのだ。
「このおばさんなら、絶対にだいじょうぶ」
と思わせてくれる、頼りになる「おばさん」。
せんちゃんには、そんな一面もある。

おばさんのようだから、縛られる女性のそばにいても気にならない。
昔は、とにかく「男は見たくない」「男はフレームに入れない」という
マニアの人が、いや、マニアじゃなくても
「縛る男なんか見たくない」と多くの人が思っていただろう。

年末に沢戸冬木さんとこの話をして、
もう二人とも「せんちゃん」「先生」じゃなく、
会話の中で「おばさん」と呼んでいた。
「おばさんに会いたいよねぇ」
「おばさん、うっかり生き返らないかなぁ」


女を縛る縄師なんてものは、本来は恥ずかしいものなんだよ。
縛る方も縛られる方も、恥ずかしいものだと思ってたんだよ。
隠さなくちゃならない、誰にもいえないことだったんだ。
だから緊美研があるんだよ。
同じ趣味を持つ人同士がこっそり集まって、こっそり見る。
そういうものだったんだけどなぁ。

寂しそうに言うせんちゃんの顔が、今でも胸の中にあって、
それが時々ちくちく痛むのだ。

「恥ずかしいことをしている」というナルシシズムは、
もうどこにもないのかもしれないね、せんちゃん。
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[ 2019/03/08 22:38 ] 濡木痴夢男 | TB(-) | CM(-)

拘束されない拘束感

昨日、久しぶりに歯科治療を受けた。
差し歯が外れてしまったので、新しいのを作ってもらうために。
この左上の犬歯は、今までに何度か外れている。
その中で二度、瞬間接着剤を使って自分で取り付けたが、
固まった接着剤を取り除くために機械で削ると、
有害な成分が発生したりと、とても人体に悪いそうで、
今まで診ていただいていた女医さんにこっぴどく叱られた。

「いいですね。もう絶対にそんな乱暴な真似はしないでくださいよ」

話好きなその人は、なんだかんだと気が合って気楽だったのだ。
今回も、その女医に診てもらうつもりだった。
なのに予約の電話をかけたら、そのひとはもう辞めてしまったとのこと。
仕方なく現在の居住地の歯科をネットで探した。
歯科に行くのは怖い。
痛くないとわかっていても怖い。

スタッフの写真、院内の様子、院長の挨拶等、
五件ほどのHPを見て決めた。
何人か在籍する医師の中で、一番見栄えがいいと思われる人を選んだのだろう、
その歯科医院は、ある若手俳優とよく似た、いわゆる「イケメン」の医師を
ピンクのナース服を着た数人の若い女性が囲む写真を掲載していた。

婦人科と皮膚科、それから歯科は、本当は女性医師にお願いしたい。
特に歯科では、無防備に仰向けになったわたしの身体の、
その顔の位置に覆い被さるような形で医師が治療をするのだ。
それを男性にされるなんて、想像しただけで怖い。とてもイヤだ。

受付を済ませて待合室に座っていると、女性医師が奥から顔を出したので、
「あの人に当たりますように」
と心の中で願いつつ文庫本を広げる。
数分後、名前を呼ばれて診察室の一つに入ると、
そこにはHPで見た「イケメン」が……。
この時点で一度わたしは硬直する。
「担当させて頂きます○○です」
と、医師と歯科衛生士がにこやかに言う。

レントゲンを撮り終えて診察・治療が始まると、
心臓が苦しいくらいドキドキしてくる。

治療をするとき、たいていの歯科医は

「口を開けてください」

などと言うものだと思っていたが、
その人はいきなりわたしの閉じた唇の、差し歯が外れているあたりを
無言のまま手袋をした指先でめくったのだ。
その、人間の皮膚とは違う人工的で滑らかな感触にゾクッとする。
薄い手袋越しに感じた体温、唇をつまむ指先の力加減に、
背中に回された手首を括られるときに似たものを感じて、
思わず肩をきゅうっと縮めてしまった。

いきなりやめてよ! びっくりするよ!

この時、すでに涙目になりかけた。
仮歯をはめて、外して少し削って、またはめて……と、
何度も何度も細かい作業は続き、そのたびに唇をめくられるのだ。

口の中を見られるのは恥ずかしい。

昔、緊美研例会で初めて鼻責めビデオを撮影した時、
モデルの早乙女宏美ちゃんは

「股間見られるより、鼻の中見られるほうが恥ずかしいもんだね」

と言っていたが、口の中もそう。同じだ。

動けない人にこんなことするなんて、なんて酷い。と、
わたしは治療台の上で全身をこわばらせながら、
ひどい、ひどい、とずっと思っていた。

身体拘束をされているわけではないけど、
病院で診察・治療を受けるというのは
わたしにとってとても非日常的なことで、特別なことなのだ。
拘束具を何も使わないそこで、現実に起こっているのはただの歯科治療だ。

でも、わたしの頭の中はそうではなかった。
わたしはそこで、確実にあの人に縛られていた。


というアレで、帰りに毒林檎のように赤い紅玉を買ったので、
今日はこれからアップルパイを焼きます。

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[ 2018/11/28 18:27 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)

うつし世はゆめ 2

左右の手首を腰の辺りでまとめられると、
彼女は「はぁ……」と溜め息を洩らした。
左手を下に、その上に右の手首を重ねられ、
彼女は目を閉じてそのときを待つ。

しゅる……とかすかな音が耳に届いて
臙脂色の紐が手首の肌に触れると、
彼女はびくっと肩を震わせる。
その肩をなだめるようにそっと押さえ、
彼は紐をするすると手首の下に這わせた。
しゅっしゅっと紐がこすれる音を聞きながら、
彼女は頭の中にその様子を思い浮かべる。

ひとつに括られた手首は肩甲骨の間まで持ち上げられる。
しずかに指を伸ばして両の肩甲骨に確かめるように触れ、
そして彼女は親指をしまい、こぶしをきつく握った。

「痛いか」

彼が問う。

目を閉じたまま、彼女は黙って首を振る。
布団の上で膝が崩れ、横座りになる。
浴衣の裾が乱れてしまわないよう、
骨盤がきしむほど太腿をきつく閉じる。

手首を括った紐は、背中から左の二の腕を通り、
乳房の上部に食い込みながら背中にもどる。
そこで手首の紐に結わえつけられた。

彼はふぅ、と大きく息を吐く。
その緊張と興奮が熱波のように彼女に伝わり、
彼女は必死に身体を硬くした。

恐ろしいのだ。
なにが恐ろしいのか、なにを恐れるのか自分でもわからない。
ただ、この初めての拘束が、
このあとの何もかもを変えてしまう気がして、
それが怖くて仕方がないのだ。

目を閉じたままくちびるをわななかせ、
彼女は全身を小刻みに震わせる。

「怖いか」

ふたたび彼が問う。

彼女はまぶたをさらにきつく閉じ、
小さく頷いた。


つづく

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[ 2018/10/06 00:03 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)

うつし世はゆめ

こんな夜中に鳥が飛んでる?

あんなに大きな蛾を見たのは初めてだった。
初めてで、きっと最後だろう。
大きな翅をばさばさと羽ばたかせる音が、闇の向こうに轟いているような気がした。


冬になると、雪に閉ざされてひっそりと息を潜める小さな宿。
雪解けまで無人になるその宿は山の中腹にあり、
そこは十月になったばかりだというのに
指先がかじかむほとの寒さだった。

夏にはそこそこのにぎわいをみせるのだろう、
古めかしく美しい意匠が散りばめられた大浴場には
彼女ひとりしかいなかった。
木の香りがする桶は、少しぬめりがあるが
それは逆に人の温もりが感じられ、気持ち悪いとは思わなかった。

じっくりと身体を温めて部屋にもどると、
天井の蛍光灯は消され、閉じられた障子の向こうのスタンドだけが灯っていた。
そこに置かれた籐の椅子に腰掛け、外の池を眺めているらしい彼が何か言った。

「なあに?」

彼女が問うても答えはなく、彼は沈黙している。

まだ少し湿った髪をタオルで包みながら敷かれた布団の上に座り
彼女は暗い部屋で文庫本をひらく。
障子が開き、風呂上りだというのに冷たくなった指を彼が伸ばす。

「こんなに冷たくなって」

唇をひらき、冷えた指先を口に含もうとすると、
彼はそっと手を引いた。

「どうしたの?」
「いま、ずっと考えていた。身体を冷やせば答えが見つかるような気がして」

隣の布団に腰を下ろし、彼は切羽詰ったように苦しげな顔で言う。

「こんなにお前を好きなのに、俺はこれからお前を抱いてしまうだろう。
すごく好きだから本当はそんなことしたくないし、しなくても充分なんだ。
だが、俺はきっとお前を抱いてしまう。
それが辛くていやなんだ」

この宿に来る前から、身体を重ねたのは一度や二度ではない。
なぜいま、ここで、そんなことを言い出すのだろうと彼女は不思議に思う。

「だから、代わりにこうしたい」

彼は余分に部屋にあった浴衣の帯を持ち出すと、
彼女の両手首を取ってそっと背中に回した。
彼女は驚かなかった。
きっといつか、こうされることを予感していたからだ。

つづく

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[ 2018/09/25 10:07 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)

人骨はコーヒー豆よりも硬いか!?

以前、スターバックスのグラインダーでコーヒー豆を粉にしていた頃。
海に散骨するために、弟と母と先代の猫の骨を細かくする必要があった。
乳鉢ですったりして、ほんの少しは粉末にできたのだけれど、
これがかなりの重労働で、時間もものすごくかかるし、手首を傷めるしで、
散骨用の粉末にしてくれる業者に頼もうか、という話にまでなった。
でも、他人の骨と取り違えられたらたまったものじゃないし、
万一他人の骨を渡されても、家族のものだと確認する術もない。
じゃあ・・・というアレで、コーヒー豆のグラインダーで粉砕してみようということになった。

早速、スタバで新しいグラインダーを購入。
50g程度を挽くことが出来る、小さいものだ。
死んだ順に、まずは弟の骨から。
心を込めて、骨に話しかけながら手作業で粉にした時よりも、
マシンで轟音とともに砕かれる骨は、ちょっと可哀相だったし、
また罰当たりなようで、なかなか実行に移せなかったが、
散骨の日程は迫ってきている。
もうクルーザーの予約もしてあった。
時間がないのだ、と
テーブルの上にグラインダーを載せ、
小さなお骨を一本入れた。
スイッチを入れると、ギュィィンという音とともに、
お骨は粉末になるはずだった。そう信じていた。
なのに、
一秒もたたないうちにバキッと音がして、
見るとお豆を粉砕するはずの刃が割れていた。
!!
そうか、そうだよね。
だってコーヒー豆は歯で噛み砕くことができるもんね。
骨の方が、うんと硬いに決まってるよね。

そして、手首が痛いままでは満足に力を込めることもできず、
かなり大きい骨片が混ざったままの人骨を
海に撒いたのでした。

とくに母のお骨は、母のきょうだいたちもみんな細かくしたいと言ってくれたので、
遠方に住んでいる人には段ボールにいれて「宅急便」で送った。
『品名欄』にはさすがに『人骨』と書くわけにはいかなかったので、
なんて書いたんだっけ。
「ガラス」とか「食器」とか、そんな内容にしたっけな。

いや、なぜ急にそんなことを思い出したのかと言えば、
弟が失踪した2001年母の日。
それは、今年と同じ13日だったんだよなぁ、と
しみじみしてしまったからだ。
なにもねぇ、母の日にいなくならなくたって良さそうなもんだろ。
死んだのは、それから一週間後の20日……らしい。
らしいというのは、検死した医師がそう言ったからだ。
寒冷地だったので、死後5日で発見されたけど、死体は綺麗なままだった。
凍死の特徴であるという、皮膚がきれいな桜色に変色していた。

でもね、練炭で死んだ遺体も、皮膚がピンクに染まるらしい。
最近そのことを知って、またわからなくなった。
当時、殺されたんじゃないかって疑ってた人がいたけど、
その可能性もゼロじゃないわけだな。

もう一度、会いたいな。
弟にもママにも。
会って大好きだって言いたい。
もっとやさしくしたい。
こうして、ずっと負い目を感じながら生きてゆくのは苦しいよ。





******************************
【緊縛美研究会再開します!】

6月24日日曜日、緊縛美研究会を開催することになりました。
緊美研にモデルとして参加してくれたこともあり、
ミストレスとして活躍されている
小室芹奈さんを縛り係に迎え、
濡木痴夢男の想いを引き継ぎます。
麻縄に特別な愛着を持ち、
緊縛美を愛する緊縛マニアのための撮影会を実施いたします。
時間・スタジオ・参加費等の詳細は、決まり次第お知らせいたします。

縛られたモデルを薄暗いスタジオの隅から見つめ、
涙を流していた会員たちの姿が忘れられません。
縄で縛られた女性を通し、参加者があらゆる感情を解放できる場所にしたいと、
芹奈さんと相談しています。
緊縛マニアのみなさま、続報をお待ちくださいませ。

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[ 2018/05/14 02:56 ] 思うこと | TB(-) | CM(-)

【職業】縄師(緊縛師)

確定申告に必要な領収書などの整理をしながら、
ふと緊美研の頃のことを思い出した。

例会の中でご自身のアナログレコードやCDをBGMとして提供したり、
切腹ビデオでは音響効果を担当してくださった、MERZBOWの秋田昌美さん。
寡黙で美しく、現場ではいつも色々なお手伝いをしてくれた秋田さんだが、
彼のライヴに行ったり、直接会ったことのある人ではないと中々「あの感じ」を
想像してはもらえないかもしれない。
とにかく物静かで、たたずまいが美しいのだ。
何年も例会に参加して、何十回と同じときを過ごした会員でも、
秋田さんと会話をしたことのある人は少なかったかもしれない。
静かでちょっと近寄り難い雰囲気を持つ秋田さんが
「ネットで確定申告をしました」
と言った時は、なぜかわからないがとても驚いた。
「秋田さんにそんなこと似合わない」
と思ったのも事実だが、正しくは
「そんなこと、してほしくない」
と思ったのだ。
どうしてそう思ったのか、ずっとわからない。

そして、せんちゃん(濡木痴夢男)の確定申告。
また、せんちゃんふざけてばっかりだ……。
と、思い出すたびに税務署の人が気の毒になってしまう、
そんな話。

その前年までは【職業】の欄に『文筆業』と記入していたらしい。
それが、何を思ったのか
「悠理、俺ことし確定申告になんて書いたと思う?」
とニヤニヤと嬉しそうに訊くので、なんとなくイヤな予感はしたのだが、
「う~ん、なに? 文筆業じゃなくて?」
と面倒だけど訊いてあげると、
「それが、『縄師(緊縛師)』って書いてみたんだよ。
税務署の奴がなんて言うか知りたくてさ」
とドヤ顔で言うのだ。
聞いたとたん、
あぁ……と思った。
税務署の窓口で、カウンターを挟んだ向かいに嫌いな役人がいて、
なんとかこいつにいやな思いをさせてやろうと出かけたせんちゃん。
担当した人が、本当に気の毒だと思っていると、
「縄師って書いて行ったら、そいつがね、
『これは具体的にはどういうことをするんですか?』
って聞きやがるからさ、俺あったまきちゃってさ」
と言いながらすごく楽しそうだよ。
「うんうん、そうしたら?」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
窓口で、大きい声で言ってやったんだよ。
『あなた、女を縛ったことあります?
えっ? ない? そうだろうねぇ。
女を縛るなんて、そんな酷いこと誰にでも出来るものじゃないですよ。
縄師というのはですね、まず麻縄を用意します。
それで女をつかまえて裸にしてね、その女のマタを開かせてですね……』
って延々と続けてやろうと思ったんだけどさ、
『もういいです』
って泣きそうな顔してやんの。
はぁー、面白かった。悠理にも見せてやりたかったよ。
来年はマネージャとして一緒に行こう。
面白いぞぅ~。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


せんちゃんは、しょっちゅうこんなことをして緊縛とは無関係な人を
からかっていた。
初めから緊縛の世界に理解を示さないだろうと感じた人には、
とても意地悪をする。
それが子どもっぽい意地悪というか悪戯というか。
でもその洗礼を受けて、濡木痴夢男と緊美研に傾倒した人はたくさんいた。

「な、最初に怒られたり意地悪されたりしても
また来てくれる人はホンモノなんだよ」
と、よく嬉しそうに言っていた。

ここまで書いて、せんちゃんの他に
【職業】縄師あるいは緊縛師
と申告書に書く人は果たしているのだろうかと思う。
申告書にそう書いて、誰にでも通用するほどポピュラー(通俗的)な職業になったら、
それはすごくイヤだなぁ。。。

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[ 2018/02/25 12:07 ] 濡木痴夢男 | TB(-) | CM(-)

ぼくたちのアプリボワゼ

緊縛美研究会が発足した当時からの古い会員や、
緊美研例会に参加したことはなくても、ずっとビデオを観てくれていた人や、
モデルとして参加した女性、濡木痴夢男と何年も手紙のやり取りをしていた人など、
長いあいだ緊美研に心を寄せてくださっていた人たちには、
「僕の緊美研」
「私の緊美研」
というものがある。

「緊美研の縄はこうあってほしい」
「緊美研の縛りはこうでなければならない」

それぞれがみな緊縛美研究会という麻縄緊縛愛好家の会を
愛しているからこそ、いつまでも在りつづけてほしいと願うからこそ、
求める要素はおのずと密度を増す。

「常にマニアの期待に応え、いや、期待以上のものを作り上げなけれならない」
「だが、マニアに迎合してはダメなのだ」
「マニア以外の、ただ女のマタを見たいだけの奴を喜ばせるようなことはしない」
「通俗的なことをしてレベルを下げ、妥協することを自分に許したときに緊縛美は滅びる」

濡木痴夢男や古い会員たちと、何度も同じ話をした。
みな自分に言い聞かせるように真剣な面持ちで、
でも「濡木と緊縛美についての話を対等に語れる自分」
というものに少なからず酔っていたこともまた確かだと思う。

緊美研には理想があった。
志があった。
『黄金期』とよばれていた頃の緊美研には、
確かにそんな空気が満ちていた。
暗いスタジオで、モデリングランプのぼんやりした光の中に佇むモデルたちは、
生活や所属や立場、そして容貌までもが現実の彼女たちとは乖離した、
凄惨な被虐の美しさをまとい、厳しく戒められた身体をくねらせては、
魂を自由に遊ばせていた。

濡木痴夢男がいない今、わたしが緊美研をなくしたくないのは、
『あの頃』を愛してくれている人たちが、まだ存在しているからだ。
リアルタイムで参加、あるいは見聞きしていなくても、
当時の写真や映像に触れる機会はいくらでもあるだろう。
それらを見て何かを感じてくれるひとがいるなら、
わたしが緊美研を手放すことはない。

前田さん

遠くから見守ってくれる人がいる。
応援してくれる人がいる。
濡木痴夢男を懐かしんでくれる人がいる。

そんな人たちへの感謝と愛を込めて、
また新しく動き始めた。
失敗することはあって当たり前。
転んで打ちのめされたあと、
どう立ち上がるか。
何をつかんで立つのか。

せんちゃんを想うと、やっぱり負けられないのだ。
あの愛すべきクソジジイの笑顔を思い浮かべて、
わたしは何度でも立ち上がるしかないのだ。

けっこうキツイけどね……(笑)

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[ 2018/01/03 20:53 ] 緊縛美研究会 | TB(-) | CM(-)

大往生

醗酵バターは、焼き上がったお菓子を食べるときよりも
オーブンの中できつね色になりながらじわじわ膨らんでゆく、
まさに今が一番よい香りを漂わせているのだと思う。
深夜2時40分。
紅玉りんごのパイがショワショワと微かな音をたてている。
秋が深まる11月になると、無性に林檎のパイを焼きたくなる。
酸味が美味しい紅玉りんごをグラニュー糖とレモン汁で煮て、
仕上げに数種類のスパイスを振る。
キッチンには甘酸っぱくてキリッとした香りが満ちる。
わたしは酸味が強めなほうが好きなので、レモン汁はやや多めに。

あぁ、酸っぱい!

熱いうちに味見して、そう感じるくらいの酸っぱさが、
冷めて切り分ける頃にはちょうどよく馴染んでいる。

酸っぱい……
酸っぱい……

またせんちゃんのことを思い出してしまった。
せんちゃんは酸っぱいものが好きだった。
「山葡萄原液」という、山葡萄をそのまま搾ったようなジュースが好きで、
よくせんちゃんの自宅に送った。
山形県にあるそのジュース会社からは、せんちゃんが死んで何年も経った今でも、
お中元やお歳暮シーズンの御用聞きや、
都内のデパートの催事に出店するときにはDMが届く。
きっともう、わたしが山葡萄原液を注文することはないだろう。
デパートの地下で試飲販売をしていても、売り場に近づくことを躊躇ってしまう。
「俺、酸っぱいの好きなんだよ」
と言って、にこにこしながら葡萄液を飲んでいた。
いつの記憶だろう。
いつも突然あらわれるせんちゃんの姿は、笑っていることが多い。
不機嫌な顔だってたくさん見てきたのに、
どうしてか、口角をきれいに上げてにぃーっと笑う、
あの道化のような子どもっぽい笑顔が浮かぶのだ。

最近、緊美研に参加したことのある女性と話す機会があった。
彼女は、別の現場で濡木痴夢男と知り合い、
縄に興味を持って遊びにきたのだった。
例会で何度か縛られ、緊美研以外の場所でも濡木痴夢男の縄を受けていたらしい。
どんな関係だったのかは知らないし、特に興味もない。
だが、話が濡木痴夢男の死に及んだとき、
彼女は煙草をふかしながら言った。
「八十過ぎてたんでしょ? 大往生よね」

大往生という言葉を聞いて、何かが引っかかった。
「でもね、老衰じゃなかったんだよ」
というわたしに、
「だってもう八十過ぎれば充分じゃない。大往生ですよ」

ああ、この人は、単に長生きした人の死を「大往生」と思ってるんだな。
と、悲しくなった。
どんなに長く生きた人でも、その人の死を悲しむ人はいる。
その人の死を辛く感じる人もいる。
「充分長生きしたから、もう死んで当たりまえ」
そんな風に言われたような気がして、
遺族でもないのに、わたしは少なからず傷ついた。
何が悲しかったのかといえば、
せんちゃんには
「大往生でした」
と言いっていい遺族がいるのかいないのか。
思い出してくれる人は、悲しんでくれる人はいるのだろうか。
と、死んだあとまで勝手に心配している自分が滑稽だからかもしれない。

わたし自身は、自分が死んだら、その身体だけでなく、
わたしの持ち物からなにもかも、物理的なモノだけでなく、
人の記憶からもすっぱり消滅したいと思っている。
それが理想。
それがわたしの大往生。

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[ 2017/12/02 03:02 ] 濡木痴夢男 | TB(-) | CM(-)

写っていないものを映す

緊美研で、濡木痴夢男が女性を縛る姿をずっと撮ってきた。
わたしが撮る写真やビデオは、そのまま商品として編集されるものだったので、
個人的な好みよりも、「緊美研らしい映像」か、「観る人に伝わるか」等を意識する必要があった。
時々、好みのモデルが登場すると、およそDVDのジャケットには使えないような、
主観的でマニアックなカットにフィルムを大量に費やした。
それらはわたしの秘蔵コレクションとして、今も大切に保管してある。

わたしがモデルとして初めて参加したその数ヵ月後、
小さなカメラを持参してきた、初参加の佐藤まゆみちゃんに写真を撮られ、
翌月の例会時には出来上がったプリントをもらった。
年齢的には大人だったけれど、まゆみちゃんはお下げ髪のよく似合う少女だった。
その少女のようなまゆみちゃんが撮影した写真は、
他の会員たちのどんな写真とも似ていなかった。

まゆみちゃんの目には、わたしはこんな風に映っているのか……

と不思議になるような写真だった。
直立したまま縛られたわたしの、ポアントで立った足だけ。
縄を解かれたあと、放心しながら床に横たわるわたしの、縮めた四肢。
首と、そこに墨で描かれた太い線のように走る髪の束。
どれも、わたしの一部なのだ。
縛られた状態での全身の写真は、他の機会でもほとんどなかった。
 (まゆみちゃんのお連れ合いは、わたしの背骨を好んで撮っていた)
でも、たとえそこに縄が写っていなくても、
まゆみちゃんの作品からは「縄の気配」が常に感じられた。
目には見えなくても、まゆみちゃんの写真を手に取ると、
そこには確かに縄が存在したのだ。
サービス判の小さな紙の中に、真っ白く浮き上がったわたしの肩口が見える。
その部分には縄の痕さえついていないが、すぐ下の二の腕に、
ぎっちりと食い込んでいるだろう麻縄が、息を殺しながら迫ってくるのだ。
モノクロのプリントを見つめ、わたしは胸が苦しくなるのを感じる。
すぐ隣で小動物のように愛らしく微笑むまゆみちゃんは、
実は嗜虐的な冷たい目で、わたしの反応を愉しんでいる。

そのあと、セーラー服にブルマ姿で縛られたまゆみちゃんを、
わたしは厳しく責めた。
わたしたちは二人とも、かなり厳しい縛りに耐えられるモデルとして重宝がられていたが、
それでも常に、相手を苛めること、責めることを想像していたのかもしれない。

そこに写ってはいないのに、モデルの感情や表情が、見る者の眼裏に鮮烈に映ってしまう。
まゆみちゃんにはもっとたくさんの写真を撮って欲しかった。

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[ 2017/10/21 14:57 ] 緊縛写真 | TB(-) | CM(-)

マリリン・モンロー そのままの魂を抱きしめたい

5年前に65歳で亡くなった叔母は、マリリン・モンローが大好きだった。
告別式の際、夫である叔父が棺に入れたレコードや写真集の中には、
現在では入手困難なものがいくつもあったらしく、
葬儀会社の人が
「勿体ないですよ!」
としきりに小声で訴えていたが、あれは「思い出の品」だからという意味ではなく、
「ネットオークションで高値が付く」ということだったのだと、最近思い至った。
一緒に灰になってしまうのに……と思ったのだろうか。卑しい人だ。
花に囲まれ、おだやかに横たわる叔母の閉じたまぶたが、
ピクリと動いたような気がした。とても可愛らしい女性だった。

1985年発売のこのワイン、1990年頃には事務所の近くで5千円くらいで売っていた。
だから当時はたくさん買って、親戚やお世話になった人へプレゼントしていたけど、
それが今はこんな値段で!!
転売ヤーって、思い出もなにもボロボロにししてくれちゃうなぁ。
マリリン・メルロー


いや、こんなことを書きたかった訳ではない。
わたし自身、特にマリリン・モンローが好きだということはなく、
いわゆる「普通に好き」で、「知ってはいる」程度の知識しかなく、特別な想い入れももちろんなかった。
でもその叔母のことを考えていて、しばらく前に観たマリリン・モンローの映画を思い出してはっとしたのだ。
その映画の中で、マリリン(役の女優)は
「母親は女の子に、こう言わなくちゃいけないわ。かわいいって」
と寂しげに言っていた。
「ママが精神病院に行ったあとは、里親をたらい回し」
「本当の父親が誰かなんてわからない」
そう話す彼女(マリリン本人)が求めていたのは、母親から愛されることだったのではないかと、
初めて思った。
結婚と離婚を繰り返しても、「愛している」と言ってくれる男のそばにいても、
心は決して満たされない。
その頃の彼女は、自分が何を必要としてるのか、きっと解っていなかったのだろう。
彼女が切実に欲しかったのは、やさしい母親の胸。
その温かさに抱かれて、甘いふわふわした夢を見ること。
髪を撫で、そっと頬を包んでくれる、ママのやさしい手。
意識の外に追いやったそれは、決して姿を現してはくれない。
だから欲しいのは、手に入れたいのは、注がれるべきなのは、
自分を求める男たちの、声や視線や、立場や富。
そう思い込んで、それらを差し出されることこそが
「愛される」ことだと錯覚しようとした。
でも、どんなに素晴らしい女優になっても、自分を騙すことはできなかった。

何でも緊縛と結びつけて考えるばかなひと。と思われるかもしれないが、
もしも、満たされない心を抱いて漂い続ける彼女が
緊美研に遊びに来たとしたら・・・
世紀の大女優でも永遠のセックスシンボルでもなく、
ただの、ひとりぼっちの寂しい女の子として緊美研に出会えたとしたら。
そんな奇跡が起こっていたら、
彼女はあの若さで死ぬことはなかっのではないかと、そう思うのだ。

マリリン・モンローでもノーマ・ジーンでもなく、
名前も立場も年齢も……何もかもを取り去ったそのままの彼女を
濡木痴夢男が縛ったとしたら。
溺れるように漂いつづける寂しい心を、チクチクした麻縄で抱きしめてあげられたら。
きっと彼女は、その繭の中で幻のママンと邂逅し、
いちばん欲しかった無償の愛を、存分に味わうことが出来ただろう。
そしてずっと長生きし、美しいまま可愛いお婆さんになって、
たくさんの人生を演じてくれたに違いない。

自殺だとか暗殺だとか、色々なことが言われているが、
きっと彼女は、これ以上年を取って、
外見の美しさが衰えてしまったら、
男からも女からも見向きもされなくなるのはわかっている。
そんな恐ろしい未来にはとても耐え切れないと、
残りの命を一晩で使いきってしまったのではないか、
そんな風に想像する。

なんでも緊縛が解決するなど、もちろん思っているわけではない。
でも緊美研は、寄る辺なく漂いつづける、夜光虫が放つ光のような
自信がなく弱々しく、そして無自覚に愛を渇望する魂をそっと抱きしめたいと、
いつでもドアを開けて迎える準備がある、そんな場所でありたいと願っている。


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濡木痴夢男の緊縛を、できるだけ多くの方に知ってほしいと思っています。
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[ 2017/09/15 02:42 ] 思うこと | TB(-) | CM(-)
プロフィール
春原 悠理 Youri Sunohara Facebook
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濡木痴夢男の緊縛美研究会の主宰です。
好きなもの:ねこ、チョコレート、雑多な読書、映画鑑賞

便利なものは苦手です。
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