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いやらしい脳

「ハダカにならないの!? それの何が面白いのさ」
「アソコ見せないの!? それでどこが面白いの」

緊美研のことを外部の人に話したとき、
驚いたようにこう訊ねられることが何度もあった。
緊美研例会では、着衣での緊縛が確かに多かったが、
わたしがモデルとして参加し始めた頃は、
「衣装ナシ。初めから全裸」
と言われることがほとんどで、
当時毎月のように借りていたスタジオの隅で全裸になり、
「ギター持って『バカヤロー』って感じでステージに出てく」
と言っていた蘭丸のように、タオル地のビーサンだけを履き、
十数人の会員たちがカメラを構える前に出て行った。

それでも、彼らはいわゆる通俗的・性的な目でわたしを見るのではなく、
「大勢の男の前で、全裸でさらし者にされる憐れな女」であるわたしに、
やさしい光のような眼差しを向けてくれる人ばかりだった。
だからと言って、緊美研は劣情を催すことを禁止しているのかと
訊ねられれば決してそんなことはなく、
会員ひとりひとりの脳内では、
厳しく縛られて責められ、売られてゆく女や、
監禁されて凌辱される女、
家畜のように扱われる女、
人間ではなく性具としてモノのように虐げられる女や、
あるいは子供の頃に大切にしていた人形の代わりに
あらゆる世話をされ、可愛がられる女や、
母親のように甘える対象として拘束される女などなど……
妄想は際限なく拡がり、目の前で縛られてゆくわたしを通して、
それぞれの理想の光景を頭に描いていたのだと思う。


「全裸」だったと言っても、もちろん脚を広げたポーズに縛られることはない。
「自然に」と言ってもいいような、ごくごく「自然」な流れで、
濡木痴夢男の縄はわたしを捕らえ、緊縛した。
目まぐるしく変化するポーズの中で、陰毛や粘膜が見えてしまうことも当然あった。
しかし、そこを見せることが目的なのではなく、
偶然に・瞬間的に見えてしまったそれに対し、
その場にいた誰もが息を呑む。
「見てしまった」後ろめたさと、
薄暗い「得した感」で胸を満たしながら。
「見られてしまった」女への罪悪感は、
思わず「ラッキー!」と思った自分に、
お前は卑しい奴だと突きつけ、虫唾の走る思いをさせる。
それぞれの頭の中ではいくつもの感情がぶつかり合い、複雑に絡み合い、
一瞬ごとに明滅しながら、永遠に、決して混じり合わない物質として回り続ける。
その、目に見えない「想い」に身も心も委ねてしまおうと決めた時、
彼らの脳は、強烈な射精感のような快感に襲われていたのかもしれない。
強烈なのに静かな、静かで深い、底なしの淵へ沈んでゆくような感覚だったのではないかと、
あの頃の暗いスタジオを思い出す。
きっと、だから一度参加すると抜けられなくなってしまうのだ。
緊美研は、当時のマニアにとってもっとも中毒性の高い、危険な場所だったのだ。

「通俗的なエロを一切排除」
と濡木痴夢男は豪語していたが、
充分に通俗的な場面もあった。
セーラー服の似合う、少女のようなモデルをM字開脚に縛り、
ショーツの上からバイブレータを当て、染みが広がる様子を執拗に撮ったり、
連縛したモデルを絡ませたり。
でも、それは「見る者」によって通俗的ではなくなっていたのだと思う。

「アダルトビデオではないけど、エロビデオです」
緊美研ビデオをこう言って説明したことが何度かある。
緊美研ビデオは、AVと表現していいような要素をまったく満たしていない。
でも、「見る者」によっては最高に「エロい」ビデオなのだ。
それは、ソフトに記録されている映像自体がそうだということではなく、
見た者の脳内で、どのように広がるかの問題だと思う。
エロい映像を期待して見た人には、つまらないものかもしれない。
だから、ビデオの発売を始めた当時のジャケットに、濡木痴夢男はこう記していた。

「女のハダカが見たい人は、決して買わないでください。
そういう人には、面白くもなんともありませんから」

「女のハダカ」などネットでいくらでも見られる今、そういった画像を見て、
当時の会員たちのような「静かで深い」快楽を得られている人は
どれくらいいるのだろう。
ドキドキしたりくらくらしたり、焦ったり安堵したり、
縛られる女を目の前に、頭がパンクしそうだと恐怖し、
手のひらをべったり濡らす汗でカメラを取り落としそうになりながら、
それでも、憧憬と愛情と、劣情と残酷さと……。
そんないやらしい脳を持っている人は、まだいるのだろうか。
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[ 2017/06/05 16:30 ] 緊美研 | TB(-) | CM(-)

見たいのは「普通」の女性

わたしが緊美研のスタッフになったのは、1989年の春だった。
その頃が、いわゆる【緊美研黄金期】と言われていた時期で、
濡木痴夢男の縄は冴えに冴え、
それぞれにマニアックな強いこだわりを持つ会員たちと
縛られること・拘束されて責められることに特別な愛着を持つ女性たちが
月に一度あつまり、熱く暗い情念を燃やしていた。

それから何年か経った頃、
「最近、モデルの質が落ちましたね」
と、緊美研ビデオをたくさん観ているという人からの電話を受けた。
それはどういうことですか、と訊ねると、
「ハダカになること、縄で縛られること、責められること、
そしてそんな自分の姿を見られることに羞恥を感じない女性が増えた」
という答えがかえってきた。
なんとなく同じ思いを持っていたわたしは、
緊美研には、例会に参加することはなくても、
こういった意見を伝えてくれるファンがいるのだと、
妙なところで感動したことを憶えている。

緊美研ビデオは、あるAVライターの方の紹介で、
神保町の芳賀書店に置かせてもらったのが、
一般への販売の始まりだった。
もともとは毎月参加できない会員ために、
例会の様子を記録として撮影し、そのままダビングして配布していたものだ。
SM雑誌への広告も、一頁の三分の一という小ささだったので、
まだやっとパソコン通信が広まりはじめたばかりで、SNSなどなかった時代のことだから、
熱心な緊縛マニア以外の人の目には、ほとんど触れることもなかっただろう。
しかしそのうち、「なんとなく縛られてみたい」・「縛られた自分を綺麗な写真に撮って欲しい」
というような女性がモデルを志望してくるようになり、
例会の様子も少し変化していった。

「もっと普通の人はいないんですか」
洋画の中の高級娼婦が身に着けるような、上下セットの「ランジェリー」を
服の下に着けたモデルが続いたとき、
ある会員がわたしにこっそり耳打ちした。とても言いにくそうに。
「隣に住んでいる女性が縛られ、惨めにされているような人を見たいんです」
オドオドしながら言うその人に、わたしは大いに共感した。
緊美研に一番大切なのは、「妄想」だ。
縛られていい、縛られたい、そんな姿を見られたい、見せたい……
「羞恥心のない女なんか縛ったって、面白くもなんともない」
濡木痴夢男がいつも言っていたことだ。

なぜ、「面白くもなんともない」のか。

知らない場所に連れてこられて、縄で縛られてしまった。
私はこれからどうなってしまうんだろう。
縛られた上にブラウスのボタンを外され、
スカートを捲り上げて固定された。
叫び声を封じるために、口には何重にも布を巻かれ、
声どころか呼吸もままならない。
髪をつかまれ、棒で突かれ、硬いコンクリートに転がされた。
誰か助けて。私に気づいて。
帰りたい。家族のいる家に帰りたい。
逃げようとしたら殺されるんだろうか。

縛られたモデルを見ながら、頭の中にこんな情景を想い描く人が、
緊美研の会員には多かったと思う。
モデルを見ていながら、同時に彼女の中に自分を見る。
彼女を責めているのも、傍観者も、そして彼女自身も自分の中に。
恐怖に混乱し、諦念し絶望する。
非日常を妄想し、頭の中ではあらゆる感情がごうごうと音をたてて渦巻く。

縛られたモデルを見て、彼らが一番味わいたいのは、
きっと、後ろめたさや罪悪感。

見られても平気な、むしろ高級ランジェリーを見せびらかすような女性を見ても、
そういった気持ちを愉しむことは出来ないからなのではないかと、
陰毛のことを考えながら、久しぶりに思った。

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[ 2017/05/23 10:04 ] 緊美研 | TB(-) | CM(-)

どうして陰毛をなくしてしまうのか

前回のブログを書いてから、気が付くと陰毛のことを考えている。
プランターに如雨露で水遣りをしながら。
卵白を泡立てながら。
お皿を洗いながら。
そして、姫ちゃんのお腹を撫でながら。

指先が柔らかい体毛に埋もれている感触は、
頭がぼうっとするほどに気持ちがよい。
たっぷりと空気を含んだホイップクリームと錯覚してしまうような、
どこまでも柔らかい、柔らかすぎる猫のお腹の毛。
その下の、薄くて温かくて、そしてやっぱり柔らかすぎる皮膚。
どうして、こんなにも危ういほど柔らかいものが、
無防備に投げ出されているのか。
そんな想いに囚われると、切なくて少し哀しくなるのだ。

陰毛を除去する女性には、それぞれの理由や都合、あるいは思いがあるのだろう。
「子どもみたいで可愛いから」
「彼氏の好みだから」
「肌がきれいに見えるから」
「ギリギリまで映すことができるから」

古い友だちに、
「毛が大っ嫌いなの」
という人がいた。
いつも股間をツルツルにしているのがいいのだそうだ。

確かに、陰毛のない白い肌から始まる亀裂は、
可愛らしいと思えるし、あるいは陰惨に見えたり、残酷な感じがしたりと、
大人の女性の身体に本来あるべきものがない、というだけで
身体改造に近い、人工的な残酷さを含んでいるようにも見える。
白くなめらかな、幼女のような恥丘。
でもそれは本物の幼女のそれではなく、
表面に加工を施したものだ。
そもそも幼女の恥丘とは、大きさ(面積)が違う。
あの、ぷっくりと膨らんだ白くすべすべとまあるい肉は、
わたしがよく口に含む、猫の掌球のようなイメージなのだ。
大人の口の中に、まるごと全部収まってしまうほど小さく頼りない
幼女の恥丘は、駄菓子屋にあったさくらんぼ餅のように、
懐かしい憧憬として眼裏に浮かぶ。

自分の股間を見て、そんなノスタルジックに浸る人がいるのかはわからないが、
失われたものを取り戻そうという気持ちが働く場合もあるのかもしれない。
それでも、ぴっちりと閉じ合せた脚を少しでも緩めれば、
そこは徐々に、皮膚と粘膜の混じり合ったような色に変化してゆくし、
そのもっと奥の成熟した女性器は、幼女のそれとは全く違う。
白い恥丘から赤い粘膜へ。
その十数センチの器官に、幼女から大人の女性へと変化する
悠かな時間を閉じ込めて、自身の身体を味わい尽くそうとする、
ナルシスティックなエロチシズムを感じてしまう。

明日もまた、気が付くと陰毛のことを考えているのだろうか。
他にたくさん考えなければならないことがあるというのに。


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[ 2017/05/11 02:51 ] 思うこと | TB(-) | CM(-)

毛はある方がいい

黒く柔らかい毛の奥から、まるで棺から起き上がる死人のように麻縄が現れた。
どれほどきつく食い込んでいたのだろう。
今までまったく見えていなかったそれは、汗と体液でぬらぬらと光りながら湯気を立てている。
するり、あるいはずるっと、女の耳に微かな音が届き、
柔らかい肉の間に埋まっていた亜麻色の縄は、完全に体から離れた。
ほうっと息をつき、思わず太腿を閉じてこすりあわせる。
男はその白い肉に手のひらを載せると、
そのまま上へと滑らせた。
二本の麻縄が埋没していたそこは、他の肌表面よりも熱く湿り、
さっきまでさわさわと揺れていた陰毛は、
皮膚と粘膜の中間のようなその部分に、汗でべっとりと張り付いている。
男はそれを指先で梳くように撫で、
その柔らかい質感を存分に味わった。


昔から、時々股間の毛を全部除去しているモデルはいた。
わたしも何度か剃毛したことはある。
真夏に毛をなくし、ノーパンでスカートをはいた時の爽快さは忘れられない。
でも、ヌード、特に緊縛モデルをする時は、陰毛をはやしておく方がいい。
それはもう絶対に、その方が色っぽい。
陰毛の生え方にも個性があるし、毛と肌の色の対比を目で楽しんだり、
手触りを想像したりできる。
幼女のような無毛の恥丘が現れると、
なんだか途端にやる気を削がれてしまう。
だって、毛があった方が女性は恥ずかしいでしょ。
見られたくないものは、多ければ多いほど恥ずかしいし、
恥ずかしいと、それなりにポーズも良くなる。

緊美研のモデルには、ぜひ、陰毛を隠そうとして
太腿をもじもじ擦り合わせて、
腰をくねくね動かして、耳まで真っ赤に染めたところを見せて欲しい。

汗で首筋に張り付いた髪といっしょ。
恥丘や腿の付け根に張り付いた陰毛は、いやらしくて色っぽい。

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[ 2017/05/08 04:18 ] 緊縛写真 | TB(-) | CM(-)

巻き舌の縄姫

……というアレで、お彼岸入りの翌日土曜日。
仲良しの縄好きさんが春原宅に集結。

そんな大げさなものではないが
みんなで話したいことがたくさんあって、
スノハラを含めた6人で女子会を開催!
そのうち二人はお泊りの予定だったので、
「ナニカが起こる」ことは予感していた。

着いた時点で、すでにほろ酔いだった人が約一名。
宴が進むにつれ、ペースアップで酒量は増えて
舌が回り切らなくなってるくせに、「縛りたい、縛ろう!」とノリノリになった。

「縄、持ってきたの?」
訊ねるスノハラに、

「持ってない」
可愛く答える。

じゃ……ということで、クローゼットの上段から「濡木縄」の袋を取り出す。
ダヤンがプリントされたその布製巾着には、麻縄が三本しか入っていなかった。
すぐに足りなくなって、

「もっとないのぉ? 髪の毛も縛りたいんだけどぉ」
と巻き舌で半ギレの縄姫。
パジャマとして持参した黒のスェットで麻縄を操る姿は、まさに「ミニ濡木」(笑)

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「胸の上はね、もっと(縄を)下げたいの。こだわりなんだ」


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このあと束ねて縛った髪を掴まれ、廊下を引き摺られてた。
散らかってるね。ごめんなさい。


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仕事部屋のパソコンの前で。肌がぴかぴか~♡


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このあと、股縄・口縄・おせん転がし……
突然始まったのに、けっこうな厳しい責め
王子、びっくりしたよね♪


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最後はこの子。幼女虐待的な匂いを感じる。


酔っ払った巻き舌の縄姫は
「物足りない! 物足りない!」
と不満げだったけれど、
みんな大好き・高手小手でそれぞれをいじめてくれた。

相手によって、じわじわいじめたかったり、
いっぱい酷いことしてあげたかったり、
ふんわり包むようにやさし~く縛ってあげたかったりと、
縄姫の麻縄はせんちゃんの縄のように躍動していた。

そういえば昔、わたしがまだモデルとして緊美研の例会に出ていた頃。
佐藤まゆみちゃんや、藤さとみちゃん、その他たくさんの女の子を
「悠理、いじめてやれよ」
と押し付けられた(笑)
一本だけ縄を使って高手小手にされたまゆみちゃんを正座させ、
後ろから片手で抱きながら片手でセーラー服の前を開けて、
鎖骨の上や乳房に爪を立てたりしたなぁ。
せんちゃんに縛られたモデルが、女のわたしに責められる。
これはほとんどの会員が好きなパターンだった。

縄姫に縛られる様子を間近で見て、
みんなで可愛い可愛い! きれい! もっといじめたい!
と大騒ぎした。
なんか……かなり「緊美研」してたなぁ。楽しかった!
またやろうね!

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[ 2017/03/22 04:53 ] 緊美研 | TB(-) | CM(-)

《冬苺 その一粒を食べ余し》  さよなら、まま。

一年前に脳梗塞を患い、昨年の初夏から急激に認知症が進行した、ある人の母。
彼女は連れ合いと二人で住む都内のマンションから、実家のある埼玉まで毎日通った。
広い一戸建てに独りで暮らす母と夜を過ごし、朝にはマンションに帰って自分の家のことをする。
そして午後にはまた、電車に揺られて遠い実家に出かけていた。
毎日。毎日。

彼女は美人で頭がよく、センスもよくて仕事のできる人だ。
美しく清潔で、気丈な人。
料理も掃除もなんでも上手くて、感情的にならない人。
でも、ふと思い立って一人でギリシャやエジプトに旅に出るような、
そんなところも魅力だった。

弱音を吐かない、愚痴を言わない。
そういうことは美意識が許さないとでもいうように、
他人に見せることは一切ない人だった。

秋になると、いよいよ症状が深刻になった母親の介護のため、
彼女はマンションを売却して実家に引っ越していった。

認知症は、本当に悲しいことだと思う。
きれいでやさしくて、何でも出来て大好きだったお母さんが、
とても見ていられないような姿になり、
耳を塞ぎたくなるようなことを言う。

まともに睡眠を取ることもできなくなっていた彼女は、
心身ともにギリギリの状態だった。

認知症の人も受け入れるホームへの入居は、突然に決まったらしい。
自分のことを娘だとわからなくなってしまった母親に
なにをしてあげられるのか。
ずっと考えていたという彼女は、
ホームへ母親を送っていき、自宅に戻ってひと息ついて、
もう母に起こされることはないのだと実感した時に、何を想っただろう。


冬苺 その一粒を食べ余し

大木あまりが「母危篤」のときに詠んだ句。

わたしの母は、冬の初めに亡くなった。
認知症にならなかったのは、本当に幸いだった。
尊厳死を望んでいた母は、自分の足で立てなくなった翌週、
食べ物を摂らなくなった。
訪問の看護師に尊厳死の意志を示し、理解を得た。
自宅の自分の部屋で、最期まであの人らしく生きた。
自分の足で立てなくなるということは、
誰かに「下の世話」をされてしまうということだ。
それが嫌で、母は自ら「餓死」することを選んだ。
どんな苦痛があっても、わたしたちに当たったり暴言を吐くことは一度もなかった。

「車椅子でお散歩にでますか」
という看護師に、
「綺麗な記憶がたくさんあるから、ここで目を閉じていればいいの」
と笑っていた母。

死体でもいいから、ここに在ってほしい。
母が息を引き取ったあと、心底そう思った。
翌朝、献体のために母の身体が運び出されたあと、
もう二度と戻ってこない人を想った。

さよなら、ママ。

認知症のホームへ送り出すことは、もしかしたら
それと似ているかもしれない。
彼女の母親が、生きて家に戻れることはおそらくないだろう。
一人の時間に彼女が何を想うのか、心配でしかたがない。

窓の外の桜のつぼみが膨らんできて、
猫たちが開花を楽しみに窓際でひなたぼっこをしている。
この桜を楽しみにしていた母を
急に思い出してしまった。
何年経っても、まだ会いたいと思う。
もういちど会いたい。
小さな骨を手のひらで弄んでみても、
それでも思う。
ママに会いたい。
ママに会いたい。

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[ 2017/03/15 00:00 ] 思うこと | TB(-) | CM(-)

やさしい縄

わたしは、よくお菓子を作ります。
ケーキやクッキー、パイなどの焼き菓子がほとんどです。
今ではバターや卵白を泡立てるときには
電動のハンドミキサーを使いますが、
本当は大きめのホイッパーを使って、手作業をしたいです。

昔のハンドミキサーでは、材料の中に出来る気泡があまりよくなく、
ボウルの底から掬い上げるように、
大きく動かすことができる泡立て器で作業したときよりも、
風味も口当たりもずっと落ちると感じていました。
手作りなんだから器械に頼りたくない・全部手作業でやりたいという、
へんなこだわりがありました。
大変な想いをして作った方が美味しくなるはずだという、
根拠などない思い込みもありました。

今は電動ハンドミキサーを使いますが、
それでもやっぱり、器械に頼らない方が
心のこもったやさしい味わいになると、そんな気がしています。


前回(12月)の緊美研開催時のビデオをチェックしました。

一人目のモデル、沢戸冬木さんが衣装に着替えて
奈加さんのとなりに座っています。
奈加さんは、自分のバッグから麻縄を取り出し、
太さや扱い方をみんなに解説しています。
「濡木先生はスーパーの袋に入れてあったよね」
「先生はいつもこうして縄を指でしごいてた」などと、
奈加さんの仕事の道具であり、
自身の魂をこめたものである麻縄を
大切そうに披露してくれました。

その中で、濡木痴夢男は麻縄をどのように柔らかくしていたかを
みんなに教えてくれました。
せんちゃんはいつも、新しい麻縄を両手の指で少しずつ手繰りながら、
丁寧に丁寧に揉んでいました。
だから、せんちゃんが座っていた場所には、
いつも縄の繊維ゴミが大量に落ちていたのです。
チクチクと衣類に刺さるそのゴミは、
せんちゃんが着ていた黒いスウェットの上下にびっしり着いて、
撮影後の緊美研事務所の洗濯機は、そのゴミですぐにいっぱいになりました。

でも、そうしてせんちゃんが手揉みした麻縄は、
余分な繊維が抜けた分、ふんわりと柔らかく、
軽やかに肌に吸い付きます。
どんなに厳しい縛りでも、せんちゃんの縄は何故か安らぐ。
写真集「BIND」のテキストで、
MERZBOWの秋田昌美さんはこう書いています。
「彼女たちは孤独だが、一瞬安らいでいるようにも見える。
不二秋夫が彼女たちに成り替わりたいという愛情があるからだ」と。
緊美研で撮影された写真を鑑賞するときには、
確かにそう感じることがあるかもしれません。

でもわたしは今日、ビデオの奈加さんの言葉を改めて聞いて、初めて思いました。
せんちゃんが手間暇かけて、縄を揉んで柔らかくしてくれたからなのではないかと。
だから、そのやさしさと愛情を感じて、
「彼女たちは安らぐ」のではないかと。
余分な繊維が抜けて、代わりに充分な空気を含んだ麻縄は、
ふんわりと柔らかく、きっとヒトアブラも吸収しやすいのでしょう。

あの、一本目の縄が背中に回された手首にかかった瞬間の、
切なくて懐かしくて、泣きたくなるような感じは、
きっとせんちゃんのやさしさと愛情があったからなのかな、と
今はもういない人に、訊いてみたいことがいっぱいで、
また今日も泣けてきそうです。

奈加さんが濡木痴夢男の話をするとき、
カメラを持っていても、わたしはせんちゃんの縄を手首に感じます。
やさしくて厳しいあの縄が、奈加さんの手の中で呼吸している。
女の肌に食い込み、厳しく責めてやろうと、その時を待っている。
技術や道具よりも、本当に大切なもの。
緊縛の「こころ」を受け継いでくれた奈加さんに、
ものすごく感謝しているのです。

奈加さんの手の中で揉まれていた縄を想いつつ、
明日は久しぶりにハンドミキサーを使わずに、ケーキを焼こうかな。

【追記にて、次回緊美研の詳細をお知らせしています】

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[ 2017/02/01 01:31 ] 緊縛美研究会 | TB(-) | CM(-)

ふかーく静かに……奈加あきらの緊美研

【第三回・奈加あきらの緊縛美研究会】参加お申込み受付中です!

こんばんは。春原悠理です。
1月20日から体調を崩しまして、まだ本調子ではないのですが、
くすぶっているうちに、奈加さんの緊美研例会が二週間後に迫って参りました。

10月、12月と2回開催しましたが、参加された方から
「緊縛美研究会としては不十分な内容ではないか」
というご意見をいただきました。
どんなところが不十分なのか、詳しいお話を伺いたいと思いましたが、
それだけの短いメールでしたので、それ以上のことはわかりませんでした。
「不十分」「研究していない」などとお寄せくださる方々の言いたいことは、
たぶんわたしが想像するのと同じことだと思っています。
「緊美研」は、少数派のための会です。

緊美研に来なければ見られないもの
緊美研でしか味わえない感動
緊美研だからできる、マニアックな緊縛
緊美研でしか会えないモデル 等々……
こんなことを求めて参加してくださる方たちのために、
わたしは緊美研を再開したのだよなぁ、と改めて思いました。

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奈加さんの後ろ手♡
わたしは肩甲骨の間に二つの手首がすっぽりと収まっているような
高くて厳しい高手小手が好きです。見るのも縛られるときも。



当日のモデルさんのご紹介です
●あかねさん(元・桃井早苗)
 一昨年の暮れ、最後に六本木倶楽部で行われた縄奈加會でモデルをされた方です。
●雛奈子さん
●ほか一般女性
ぐぐぐ

◆女性のお申込みは締め切らせていただきました
【第三回・奈加あきらの緊縛美研究会】

2月12日開催です
初めての方は下記をご覧の上、フォームよりお申し込みください。

●内容
※奈加あきら氏による女性への麻縄緊縛の鑑賞と、
 参加者と一緒に作り上げる緊縛美の世界。
※職業モデルではない、一般の縄好き女性もモデルとして登場します。
 緊縛美、羞恥美。奈加あきらの縄に悶え、責めに喘ぐ女性の美しさを探求します。
※奈加あきら氏に使って欲しい自作の縄や拘束具をご持参いただいても結構です。

●日時
2017年2月12日(日)
13:00~19:00  (開場12:30)

●場所
都内スタジオ (ご参加の方のみお知らせ致します)

●参加費
男性20,000円
女性12,000円

●お支払い方法
銀行振り込み
郵便振替
(振込先は、お申し込みへの返信メールにてお知らせ致します)

●予約方法
緊美研参加申し込みフォーム(外部リンク)より、お申し込みください。
折り返し、詳細をメールにてお知らせ致します。


※ご入金後のお客様都合によるキャンセルの場合、
 参加費の返金は出来ませんのでご了承 ください。

※お申し込みをされて48時間経っても、こちらからの返信が届かない場合は、
 ドメイン指定、ご記入のメールアドレスに間違いがないかご確認の上、
 その旨をお知らせください。

※奈加あきらの緊縛美研究会は撮影会ではありませんので、
 カメラのお持込みはできません。
  奈加流緊縛を愛し、縄愛好者が楽しむ会です。
※この催しの主催は「緊縛美研究会」春原悠理です。
  奈加あきらさんは「緊縛師」としてお越しいただくことになっておりますので、
 奈加さんへのお問い合わせ等はご遠慮ください。


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[ 2017/01/30 20:53 ] 奈加あきらの緊縛美研究会 | TB(-) | CM(-)

何度も死ねるなら

今日、スタッフみるくと「死ぬこと」・「死に方」について語りました。

誰にでも必ず訪れる死。
でもそれが、一回だけじゃなくて、何度か経験できるとしたら・・・

どんな風に死にたいか、ではなく、「誰に」「どんな方法で」殺されたいか
わたしたちは、大興奮で夢中になって話しました。


◆蓮華に斬り殺されたい
コミック「蓮華」の主人公・蓮華の仕掛けの腕に握られた刀で斬られると
「痛みさえも感じずにそこにいけるという」
◆「やあ悠理、ゲームをしよう」
映画「SAW」のジョンにゲームを仕掛けられ、身体の一部を少しずつ失いながら
壮絶な苦痛と絶望の中で絶叫しながら息絶えてみたい
◆だざあ(太 .宰)の拷問によって人格崩壊しながら
アニメ「文豪ストレイドッグス」の太、宰(CV宮野真守)。マフィア当時の太、宰に拷問にかけられ、
蔑まれながらゴミのように扱われて死んでいきたい

その他にもいくつかの状況をそれぞれが出し合い、
とても正気とは思えないような「希望」がぽんぽん飛び出す中、
究極的に……いえ、もう宇宙のどこを探してもこれ以上ないっていうくらい
甘美で切なく、激しく哀しく、もう言葉などでは決して表せないような、
そんな妄想に取り憑かれ、その後は仕事になりません。
ふたりで息が荒くなり、指先が痺れて心臓もバクバク。
まるでアナフィラキシーショックのような、体感的にはほとんど瀕死になりました。

それは一体、どんな妄想かというと・・・
わたしの最愛の王子(ねこ)は、見たことのある人ならわかりますが、
すごく美形なんです!
雑種ですが、顔はもちろん全身が、輪郭やパーツの配色や形などなど、
とにかくすべてが美しい。
飼い主の欲目もあるかもしれません。
猫が嫌いな方にとっては、忌々しいことかもしれませんし、
猫と一緒に暮らしているかたにとっては、
ご自分の猫さまの方がずっと美しいと、そう思われるかもしれません。
でも!
わたしの王子は本当に美しく、男らしく、性格がカッコいいのです。
その王子の立派な牙で、喉を裂かれて死にたいと、そう思いついてしまったのです。

わるいひとたちがやってきてみんなを殺した(Blankey jet city わるいひとたち)
の歌詞のように、どこかの国の人たちが侵略してきて、
「女たちは犯され 老人と子どもは燃やされた」
じゃあ、みるくは犯されてわたしは燃やされるんだ!
と、そんな時、敵に殺されるくらいなら、と
わたしの王子が! その牙で!
喉に噛み付いて殺してくれると言うのです。
王子を抱いて首をのけ反らせて喉をさらし、
目を閉じてその時を待ちます。
王子の息が首にかかり、鋭い牙が喉に食い込んできます。
王子の白いお手手とお胸はわたしの血で真っ赤に染まり、
王子をおいて先にいくなんて、最後まで愛してあげられなんて、
と泣くわたしに、「心配すんな。俺もすぐにいくから」と微笑む王子。
こうして書いていると、また指先が痺れてきて危険なのでもうやめます。ハァハァ

でも、何度も死ぬ瞬間を味わえるなら、
わたしは激しい痛みや苦しみに苛まれてみたい。
その時に自分が何を思い、何を考えるのか、
怖いけれど知りたいです。

そして、死を想うことは縛られることと似ています。
わたしたちは、縛られるたびに何度も死んで、
死んでは生きて、また次の死を夢みて、その時まで生きるのです。


いつか、「切り刻まれた死体」になった写真を撮影したことがありました。
010.jpg


その相談の時、カメラマンは
「切るヤツは、ストイックでイカれてて、痩せてる男がいい。
そうすると俺しかいないんだよな」と言いましたが、
わたしは彼が痩せているとは思ってなかったし、
そんなわたしを切り刻んでいいのは、「あの人しかいない」と思う人がいました。
それは、当時東京グランギニヨルで活動していた聡ちゃん。
斉藤・ホセ・聡介さんてす。(画像は聡ちゃんのブログより拝借)
そうちゃん
聡ちゃんが「メスより切れる」レザーを握って、
コンクリートに横たわるわたしの身体を
少しずつ切ってくれるのも、味わってみたい死に方・殺され方の一つです。
でも、聡ちゃんに縛られたいとは、思わないなぁ・・・(笑)

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[ 2016/12/20 01:20 ] 思うこと | TB(-) | CM(-)

七年ぶりの麻縄

今月4日に開催した「第二回・奈加あきらの緊縛美研究会」。
カメラマンの佐藤恵里沙さんから、当日の画像をいただきました。
その写真は、のちほど「緊美研写真館」ブログにてご紹介していきます。
冬木さんと涼さんとは違い、わたしにとっては7年ぶりの縄でした。

今回も、奈加さんからはとても興味深いお話が出ました。
「「縛り手」「受け手」という言い方が嫌い」
参加者の女性で「わたしも嫌いです」と言う方がいましたが、
わたしもずっとそう思っていたので、なんだかホッとしました。
この「縛り手」「受け手」に限らず、変な言葉は多いです。
一体、誰が言い出して、いつからみんなに使われるように
なったんでしょうね。
こういったお話の時間も、ビデオに収めてあるので、
そのうち編集してまとめようと思っています。

そうそう。七年ぶりだったということを書こうと思っていたのです。
2009年に三回開催した緊美研。
その三回とも、わたしもモデルをしたのです。
一回目は予定してはいなかったのに、
せんちゃんが突発的に「五分だけ縛らせろ」と言って、
ジーンズをはいたままでほんの短い時間だけ、縛られました。
二回目と三回目は、残念ながらある会員さんの要望どおりの
衣装と縛り方を実践したので、
わたしにとっては、あまり嬉しくも気持ちよくもない縛りでした。

そしてそのあと七年間、一度も縛られることなく生きてきたわけです(笑)。
終わったあと、奈加さんに感想を訊かれましたが、
とてもその場で答えられるはずはありません。
ものすごく緊張していたので、じっくりと麻縄を味わう余裕もありませんでした。

本当は、奈加さんの縄の色々を感じたかった。
匂いや表面の感触、縒りの硬さ・柔らかさ、密度、
それからヒトアブラをどれだけ吸い込んでいるか……などなど
  ※「ヒトアブラ」とは早乙女宏美ちゃんの言葉で、
    縛られた女性から出る汗や皮脂、その他分泌物のこと
そんなことを感じながら味わいながら、
縄に酔い、縄になぶられ、責められて、
どこでもない場所と時間を漂いたかったのですが、
なんだか意識がぽーんと飛んでしまったようで、
あまり憶えていないのです。

でも。奈加さんの縄は、奈加さんの縛りは、
わたしにとっては、ただただ優しく大らかで温かく、
何もかもを丸ごと包んで引き受けてくれるような、
そんな安心感がありました。
嵐の海に小さなボートで漕ぎ出して、
ぐるぐる回ったり転覆しそうになったりしても、
わたしはじっと目を閉じて、身を任せていられる。
そんな縄でした。

もっと厳しく縛ってもらいたかったという想いは残りますが、
奈加さんが本当に多くの人に支持され、愛され、認められ、
求められているのが何故なのか、わかったような気がします。

[タグ未指定]
[ 2016/12/19 04:41 ] 縛られること | TB(-) | CM(-)
プロフィール
春原 悠理 Youri Sunohara Facebook
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濡木痴夢男の緊縛美研究会の主宰です。
好きなもの:ねこ、チョコレート、雑多な読書、映画鑑賞

便利なものは苦手です。
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